【研修するなら読むべき】小児科研修について!

M.A

現在の初期研修のルールでは小児科や産婦人科は必ず経験しなくてはいけない診療科となりました。
数少ない高齢者以外を相手にする診療科で興味を持っている人も多い診療科だと思います。
私は現在(2020年9月10月)小児科で研修しているので実際に自分が小児科を研修してみて思ったことや小児科研修で経験できることについてこの記事にまとめてみたいと思います。
小児科の研修で何を学べるか知りたい人はぜひ読んでみてください。

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小児科研修での手技

小児科での手技といえばまずは採血とルート確保になります。
大人のルートに関しては看護師さんがとる病棟も多いと思いますが、小児の採血やルートは医者がとる病院が多いと思います。小さい子供はベインライトというライトを使って血管を見える様にして採血することもあります。なかなか他では経験できないので小児科研修でマスターしておきたい手技の一つだと思います。
大人のルートの取り方についてはこの記事にまとめているのでこれも参考してみてください。基本は小児も大人も同じです。

もう一つ小児科で頻度の高い手技が腰椎穿刺(ルンバール)だと思います。
生後数ヶ月の子供であれば炎症反応の上昇なども踏まえての判断になりますが髄膜炎の診断、否定のためにルンバールを行う頻度がそこそこ高いです。救急外来でそこまで多い手技ではないので小児科でマスターしたい手技ですね。

あとはそこの病院でやっている検査などになってくると思います。
僕は膀胱尿路造影で子供にフォーレを入れたりというのも経験しました。
あとは他の診療科でも経験することですが、診察であったりエコーであったりといろいろ経験します。

小児の診察について

やはり小児科で重要になってくるのが診察ですね。
泣かないうちに聴診をしたりと少し学生の頃に学んだ様な診察方法を実践することになります。
小児科はあらゆる臓器の疾患を扱うのでリンパ節を触れたり、喉をみたりと基本的な診察を復習する機会になります。
産婦人科もある病院であれば新生児の診察も経験したりすると思います。
新生児は可愛いので癒される時間ですね。
全身の診察と吸啜反射やモロー反射の確認などを行います。

小児科研修の1日

僕の病院での小児科研修の1日についてまとめてみます。大体多くの病院が似た様な形になるのではないでしょうか。

8:00 少し早い時間に採血:外科などで手術をする子供のルートを取ったりも回ってきます。
8:45 カンファレンス:前日に入院した患者さんのプレゼンテーションを行います。
9:15 新生児の回診:僕の研修している病院は新生児も扱っているので低出生体重児などの回診を行います。
9:30 病棟回診:小児科は入院期間が短い疾患が多いのでしっかり把握するために短いプレゼンテーションを行ってから回診を行います。この時間には朝の採血結果が出ているのでそれもみて退院を決めたりします。
9:45 カルテ業務:処方や記事を書きます。まあどこの診療科でもやる仕事ですね。
10:30 新生児診察:出生24時間以内診察と5日目の診察を行います。
11:30 新生児カンファレンス:体重の変化や栄養状態に関してのカンファレンスを行います。
12:00 昼ごはん
13:00 午後からはその日の担当の業務を行います。僕の研修している病院では救急当番、病棟当番、帝王切開の当番があります。救急は救急車や急患の対応、病棟は入院する患者さんの診察など、帝王切開はあればですが帝王切開で生まれた新生児のApgar Scoreをつけたりなど全身状態を確認する仕事を行います。
16:00 夕回診:小児は1日の間で変化することもよくあります。(解熱して突発性発疹が分かったり)

まあこんな1日を送ります。

小児科で多い疾患

小児科で多い疾患、つまり勉強しておく疾患ですがこれはもちろん病院やシーズンによると思います。
僕が1ヶ月研修してたくさん経験した症例としては

  • とにかくいろいろな感染症
  • 熱性けいれん
  • 突発性発疹
  • 川崎病
  • 糖尿病
  • 精神的な問題

こんな感じが多かったです。
とにかく扁桃炎や上気道炎などが多い印象ですね。糖尿病はあまりいないみたいですがたまたま多かったです。単純型熱性けいれんは基本的に帰宅ですが複雑型だと入院となるパターンが多いです。
そして意外に多いのが精神的な問題で入院する患者さんです。症状としては脱力などですがいろいろな検査をしても結論が出ず、よく話を聞くと日々の生活でストレスを抱えているというパターンです。
やはり子供は思春期もあるのでこういう問題も出てきます。

小児科研修の注意点

小児科研修は病院によって扱っているジャンルが異なります。
外来しか行っていない病院もあると思いますし、救急車をあまり受け入れていない病院もあります。
産婦人科がない病院であれば新生児の診察なども行えません。
小児科は病院によってかなり差があると思うので小児科志望であれば研修病院を選ぶときにしっかり確認することをおすすめします。
また、現在(2020年9月)はかなり小児科の患者さんの数が減っています。
もともと小児科は季節によって忙しさが変わってくる診療科であると同時にコロナ対策によって小児が風邪をひきにくくなっています。しっかり経験を積みたい人は冬場を選ぶなどタイミングが重要になってきます。

そして最後にもう一つ。
子供の感染症は大人にもうつります。
アデノウイルスなどは感染力が強いのでしっかり感染対策しないと研修期間を家で過ごすことになってしまいます。(僕は今のところ大丈夫です。)

小児科研修おすすめの本

小児科研修のおすすめの本は別な記事にまとめるのでそちらを参考にしてみてください。

小児科まとめ

小児科は子供という他の診療科とは違う年齢層を扱う診療科です。
いろいろな疾患があり、総合診療科の様な一面もあるので全身の診察が重要になってきます。(まあどの診療科も全身の診察は重要ですが…)
親と関わる機会も多く、コミュニケーションも重要となってきます。
子供の親は若く、疾患について調べてきたり親同士で聞いた情報などについての質問もあるのでしっかり知識をつけることが重要です。
覚えなければいけない知識量も多いため少し大変な診療科ですが薬の使い方など重要な点がたくさんあるのでしっかり勉強しなければいけないですね。

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