オンライン診療の未来[メドレー豊田先生の講演会について]

最近のコロナウイルスの影響で在宅の仕事が話題になりましたね。
医療に関しても病院に行くのは危ないということで、オンライン診療を望む人もいたと思います。

最近僕はメドレーという会社の豊田先生の講演会を聞きました。
この会社はオンライン診療の開発をしているようで日本での導入数はNo.1とのことでした。

株式会社メドレー:https://www.medley.jp

今回はその講演会の内容も踏まえて、オンライン診療の未来に関して少し考えてみたいと思います。

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そもそもオンライン診療とは?

まずオンライン診療の基本的な説明です。

みなさんオンライン診療ってどういうものを想像していますか?

とりあえず何か気になったときにすぐにスマホで医者に見てもらって薬をオンラインで処方され、薬局で受け取るような流れを想像する人も多いかもしれません。これは現在のオンライン診療とは少し違うようです。

最近オンライン診療という言葉はよく聞きますが、僕もその言葉だけ知っていて、具体的にどのように行われるか考えたことはあまりありませんでした。

もちろん上に書いたようなすぐに見てもらって何かを処方してもらうようなスタイルが今後普及していく可能性も十分にあると思います。(薬局とかはそんな感じですよね。)
ただ現在の日本のオンライン診療はそうではありません。

まず厚生労働省の発表しているオンライン診療に関するホームページというのがあります。

お探しのページが見つかりません(404 Not Found) 。

こちらに書いてありますが、原則として初診は対面診察で行うとあります。
つまり急にお腹が痛くなってスマホですぐに受診するということはできません。

現在はかかりつけの病院でちゃんとオンライン予約をしてオンライン受診をするというスタイルになっているようです。
診療が終わるとクレジットカードで決済し、処方箋などが送られてくるようです。

オンライン診療の今後

このようなオンライン診療ですが、今後はどうなっていくのでしょうか。

僕は基本的には広がっていくと思います。

理由としては病院に行きたいけど忙しいからいけないという人がいるからです。

詳しくは覚えていないですが、中国ではかなりオンライン診療は広まっているようです。
やっぱり病院に行くまでではない状況(例えば処方を継続して欲しいだけなど)では病院に行きたくない人は多いはずです。

やはり病院の長い待ち時間や、待合室で何か風邪をうつされてしまいそう、といった理由で病院が嫌いな人は多いと思います。

しかし、オンライン診療で一番問題になってくるのがオンライン診療によって何か起きてしまった場合です。

やはり画面越しに患者さんを見るだけでは何か見逃しが起きてしまう可能性があります。

こういったミスに対応するためにも、オンライン診療を行う前に何かあっても文句は言わないという同意が必要じゃないかなと思います。そしてこの条件でも納得できる人が受けるという形になると思います。

こういった問題もありますが、普段臨床をしていると、最初に書いたように病院に行くのはめんどくさいから放置していたという人が意外に多いなと思います。
皮膚科でもお腹に大きな腫瘍ができているにも関わらず、とりあえず放置していたという人もいました。
このような人にとっては夜の空いた時間にさっと医師に診察してもらい、大丈夫なのかそうでないのかくらいみてもらえるのは大きなメリットですね。
その人に関してもオンライン診療で病院受診を勧められ、もう少し早く病院に行って軽い手術で済んだのではないかとも思います。

このように病院に行きたくないけど心配という人にオンライン診療は需要があると思います。

オンライン診療はどの程度広まるのか?

ではこのオンライン診療はどの程度広がるのでしょうか?

個人的には無難な回答ですがある程度は広がると思います。

ちょっと長くなりますがここからがその理由です。

まず病院に行く人は大きく分けて2通りあります。
それは

  1. 定期的に通っている人
  2. 新しく病気になった人

この2つです。

そしてこの1の中でオンラインでもいいと考える人がオンライン診療を利用します。
これに当てはまる人というのが忙しいけど薬を引き続き処方して欲しい人や医者に話を聞いてもらいたいという人になると思います。まあこういった人も一定数いるのである程度は広がるはずです。

ただある程度と書いた理由はこれに当てはまる人はそこまで多くないと僕は思うからです。

というのもまずパソコンに慣れている人でないとオンライン診療は利用できません。

これは患者さんにも当てはまりますが、医者にも当てはまると思います。

病院に行く人の大半は高齢者であり多くの人はパソコンの使い方に慣れていないはずです。(少しずつ慣れている人は増えているとは思います。)
また、医療者側に関してもいまだに紙カルテの病院も日本にはたくさんありますしオンライン診療をそのような医者が使いこなせるかは疑問です。

オンライン診療も導入にはお金がかかるはずですし、そこまで多くの需要が見込めないような気もします。そして内科と精神科以外はやはり実際の診察が不可欠かなとも思います。

結局のところ若者の多い都会のクリニックがオンライン診療をこれからは主に導入していくのでないでしょうか。

まとめ

オンライン診療もある程度は広がると思います。診療までいかなくとも、オンラインでの医療相談なども需要がありそうです。

症状を書くとある程度診断をつけてくれるアプリやチャットによる医療相談などはまだあまり広まっていませんが存在しているようです。

こういうものは有名になったらみんな使いそうですよね。夜間に困ったときとか、病院にいくべきか、救急車を呼ぶべきか迷ったときは便利だと思います。

医者の数が増えてきているのでオンライン専門の医師なども現れるような気もします。(ただよくわからないとすぐに近くの病院を受診してくださいとなるので周り医者からは嫌われるかもしれません。)

そもそも医師の仕事はガイドラインで決められていることをただ行うだけのことが多いです。すぐにある程度のことはコンピューターが代わりをやってくれることになる分野だと思います。

医者としてはオンラインにするのは面倒ですよね。
患者さんは楽ですが、医者としては誤診のリスクのある行為を自らすることになります。
よほどの需要がない限り僕としてはやりたくないような気もします。

なかなかオンライン診療導入のメリットがないと広がらない気がしますよね。(オンライン診療加算などですかね?)
検査もできないので診療報酬が少なくなってしまいます。

以前も書きましたが今の保険医療制度はゴールに対してではなく、その過程に報酬が発生しているので無駄な検査を行う病院が多くなってしまっています。(豊田先生の講演会より)

患者さん一人の診察時間が短くなるわけではないのでオンライン診療はなかなか利益を出せないのではないでしょうか。

今後の医療はどう進んでいくのでしょうね。

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