(7/25-8/7)1週間の医療ニュース、免疫学TOPICS

M.A

この記事では先週あった医療ニュースや免疫学に関する論文を紹介しています先週は投稿することができなかったのでこの記事では2週間分をまとめて投稿します。今回はコロナウイルスのワクチン、治療薬、心原性ショックに関する臨床の論文、腸管免疫の論文を紹介しています。医療に興味を持っている人はぜひ読んでみてください!

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医療ニュース

今回は少し医療ニュースは多めです。

ファイザー、モデルナワクチン3回目接種?

ワクチン効果は2カ月で低下、やはり3回目接種が有効──ファイザー、ビオンテック調査(ニューズウィーク日本版) - Yahoo!ニュース
新型コロナウイルスのワクチンは、接種後どれくらいの期間、効果が持続するのか。世 界中でウイルスの変異株による感染が拡大し、3回目の追加接種の必要性が議論されるなか、米ファイザーと独ビオンテック両社は

ファイザーとモデルナのmRNAワクチンの3回目が必要ではないかというニュースがありました。

こちらのファイザーの第二四半期の決算の資料に3回目接種についてのことが記載されています。

https://s21.q4cdn.com/317678438/files/doc_financials/2021/q2/Q2-2021-Earnings-Charts-FINAL.pdf

確かにPRNTというウイルスの量を半分にすることができる濃度を調べる検査で3回目を打った方が良い結果が出ています。

これに関してはなんとなく当然の結果のような気がしますよね。打てば抗体が上がるのは当然です。こういう考え方は良くないのかもしれませんが、このような結果を出しているファイザー社としてはもちろん接種回数が増えたほうが利益につながります。果たしてどの程度の抗体価が発症予防や重症化の予防に必要なのかは今後更なる研究結果が出るのを待ちたいですね。

我々が小児期に受けたワクチンに関してはここまで頻回な接種を必要としていません。例えばおたふくかぜのワクチンに関しては下の国立感染症研究所の記事にて12年間の発症予防効果があったということも書いてあります。

おたふくかぜワクチンについて

おたふくは生ワクチンでありワクチンの種類が違うのでなんとも言えませんがmRNAワクチンの効果に関しても研究が進んでほしいですね。

塩野義製薬経口抗ウイルス薬の治験開始

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬S-217622の臨床試験開始について ‐経口抗ウイルス薬の国内第1相臨床試験開始‐

こちらはCOVID19の治療薬に関するニュースです。経口の3CLプロテアーゼ阻害薬というもののようですね。あまり詳しいことは知らないのですがこの記事にはこの3CLプロテアーゼがウイルス増殖に必要でありそこを阻害すると書いてあります。まずは第一相の安全性の試験からなので時間はかかると思いますが、早く完成するといいですね。

治療薬に関しては下の前回の記事でも書いた抗体カクテル療法があります。

しかし抗体製剤は高価であるという問題点があります。軽症の人がみんな使うと効果はあるかもしれませんが日本の財政が破綻するでしょう。今回の製剤が安価かどうかは分かりませんが国産なので外貨を獲得し、日本が成長するきっかけとなってくれたらいいですね。

心原性ショックにドブタミンかミルリノンか

Milrinone as Compared with Dobutamine in the Treatment of Cardiogenic Shock | NEJM
Original Article from The New England Journal of Medicine — Milrinone as Compared with Dobutamine in the Treatment of Cardiogenic Shock

こちら臨床系の論文の簡単な紹介です。

ドブタミンはβ1β2刺激薬でミルリノンはホスホジエステラーゼ(PDE)III阻害薬です。これらが心原性ショックの患者さんに対して死亡、蘇生が必要、体外循環が必要になるなど様々なものを評価しています。そして結果ですが、心原性ショックに対してこの二つに差がないということでした。

シンプルな内容ですが個人的には、心原性ショックのような状態でも研究が行われているということが驚きだったので紹介しました。

免疫学の論文

腸管免疫という少し専門的な内容の論文ですが紹介します。

腸管上皮細胞のアポトーシス産物が最近の増殖に関与する

Microbes exploit death-induced nutrient release by gut epithelial cells - Nature
Intestinal microorganisms exploit nutrients released by apoptotic gut epithelial cells for growth.

この論文は細胞のアポトーシスと細菌の増殖をテーマにした研究です。

アポトーシスは体の恒常性の維持のために細胞死を起こすシステムです。このアポトーシスが細菌の増殖に関与しているというのが今回の論文の内容です。

まずドキソルビシンなどの抗がん剤によって細胞死を誘導しその上清の中でサルモネラ菌を育てたところサルモネラ菌の増殖が促進されることが分かります。そしてサルモネラ菌のRNAを調べたところピルビン酸に関わるPflbという遺伝子がこの増殖に関わっていることがわかります。

ここから炎症性腸疾患などへの関連を調べるためにTNFαを抑えるA20という遺伝子が腸管だけに欠損しているマウスを使用したところ、こちらのマウスの方がサルモネラ菌の増殖が促進されます。つまり炎症でアポトーシスが起こる方が細菌が増殖するということですね。

また抗がん剤のドキソルビシンを投与すると大腸の最近は増加し、アポトーシスに関連するカスパーぜ3/7という遺伝子を腸管特異的に欠損させたマウスを使用するとサルモネラ菌の増殖は増えないということが書いてあります。

アポトーシスが細菌の増殖につながるというテーマに関して色々なノックアウトマウスを使用して実験を行なっている論文ですね。実際の臨床につなげるとするとアポトーシス抑制薬が炎症性腸疾患に効果があるみたいな研究になるかもしれませんが、これは流石に全身に悪影響が起きそうですね。アポトーシスと細菌の増殖という変わったところに着目するのがすごいと思います。

まとめ

今回の記事ではいくつかのコロナウイルスに関するニュースと論文を二つ紹介しました。細菌コロナの感染が増えてきてコロナウイルスの情報も増えてきました。様々な情報が出回っており、その取捨選択をする能力が今後は重要になってきそうですね。

前回の記事はこちらになります。よかったら読んでみてください。

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