(8/8-8/14)1週間の医療ニュース、免疫学TOPICS

88-814医療ニュース免疫学論文まとめ M.A

この記事では先週1週間にあった医療ニュースと免疫学に関する論文を紹介しています。今回の臨床のニュースはCOVID-19に関するニュースをいくつか集めて紹介しています。免疫学のあまり免疫らしいテーマではありませんが流行りの腸内細菌に関する論文を一つ紹介しています。ぜひ読んでみてください!

医療ニュース

COVID-19はいよいよ増加してきましたね。色々な情報も出回っており、正確な情報を選択することが重要となってきています。先日ワクチン接種の仕事をしていたところワクチンがうつるってネットで見たけど大丈夫かということを言っている方がいました。医療の知識が少ない人にとってはこのワクチンはわからないことだらけだと改めて実感しました。

この記事ではデータや論文に基づいた情報を紹介しています。

COVID-19患者数の増加

毎週のように取り上げられていますが、この記事では久しぶりに取り上げます。

世界の患者数をこちらのサイトで見てみると日本の患者数が増えてきているのがわかります。

COVID-19 Weekly Trends by Country - Worldometer
New cases and deaths in the last 7 days vs. the preceding week. Absolute and percentage change, weekly cases and deaths per million people in every country in t...

100万人あたりの患者数は以前までは100位以下でしたが今は77位まで上がってきてしまいました。特に沖縄は100万人あたり2500人程度と世界で見てもかなり上位(20位台)の人数になってしましました。自粛している人も少なくなっているでしょうし、これからの感染拡大が収まる要素はあまりないように感じます。オリンピックは感染拡大に関係ないとのことで開催されましたが、それが事実であったとしても国民の自粛への意識を下げたことは間違いないですよね。

国民も政府も一致団結してこの状況を改善する方向に持っていきたいですね。オリンピックに関することなど改めて別記事にまとめたいと思っています。

デルタ株へのワクチンの効果について

こちらは毎度紹介しているNEJMにあった論文の内容です。

下の論文を参考にしています。

Just a moment...

こちらの論文はデルタ株などに対してのファイザーワクチン、アストラゼネカワクチンの効果についての論文になります。

結果ですがどちらのワクチンも1回接種ではアルファ変異に対しては48%程度、デルタ変異に対しては30%程度の効果でした。またファイザーの2回接種ではアルファ変異に対して93%、デルタ変異に対しては88%の効果でした。アストラゼネカワクチンはアルファ変異に対して74.5%、デルタ変異に対して67%の効果だったということです。

結論として2回接種によってどちらのワクチンもデルタ株に効果があるとなっています。

まあワクチンは打とうということですね。

青年へのモデルナワクチン

ワクチンのニュースばかりになってしまいますが論文もコロナ関連のものが最近はやっぱり多いです。モデルナのワクチンは現在大規模接種や職域接種で用いられていますね。

下の論文を参考にしています。

Just a moment...

この論文では12歳から17歳を対象にモデルナのワクチンの安全性及び効果を見ています。

そして結果ですが、副反応として接種部位の痛み、頭痛、倦怠感が多かったが深刻なものはなかったとなっています。また効果に関しては中和抗体は18歳から25歳の結果と変わらなかったとあります。

90%以上の人に接種部位の痛みが出ており2回目に関しては70%程度の人に頭痛や倦怠感が出ています。2回目のモデルナは翌日休んだ方がいいかもしれませんね。

免疫学の論文

今回は免疫の要素は少ないですが高脂肪食による腸内細菌への影響についての論文を紹介します。最近は日本も欧米式の食事が広がってきて高脂肪食が増えていますね。高脂肪食はよくないんだなあと読んでみて思いました笑。

高脂肪食による上皮機能の低下が腸内細菌によるTMAOの産生を増やす

元の論文は

https://science.sciencemag.org/content/373/6556/813

です。

簡単に内容を説明すると、高脂肪食が心血管疾患にかかわると言われているトリメチラミンNオキシド(TMAO)を増やすという論文です。TMAOはトリメチラミンという物質が肝臓で酸化されてものでアテローム性動脈硬化などに関わっているようです。

腸管上皮ではミトコンドリアが酸素を利用することによって低酸素状態を作り出しています。高脂肪食は飽和脂肪酸によってミトコンドリアの機能を低下させます。著者らは高脂肪食を与えたマウスでは腸管の上皮の低酸素状態が解消されていることをピモニドゾールという低酸素マーカーで示しています。

そしてこの上皮細胞のmRNAを解析したところNos2という一酸化窒素合成酵素をコードしているmRNAの発現が増加していることが確認されます。そこから硝酸塩がTMAの元となるコリンの異化作用に関わっていることが硝酸呼吸にかかわる遺伝子を欠損した大腸菌を使うことでわかります。

他にも色々な実験によって大腸菌がコリンを異化することでTMAOを増加していることを示しています。

まとめると高脂肪食によって、もたらされる腸内細菌の増加、腸管上皮の低酸素の解消と硝酸塩の増加がTMAOの増加につながるとなっています。

ちなみに炎症性腸疾患の治療に使われている5-ASAはこのTMAOを下げると書いてあります。

なんかまとまりなくなってしまいましたが、結局高脂肪食は心血管リスクを高めるので良くないということです。気をつけたいですね。

まとめ

今回の記事ではCOVID-19の感染者数、各種ワクチンに関するニュースと腸内細菌に関する論文を紹介しました。

早く今までのように自由な生活に戻りたいですね。

前回の記事はこちらです。時間がある人、医療に興味を持っている人は読んでみてください!

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