初期研修医2年間を終えての感想

M.A

先日無事初期研修を終えることができました。個人的にはとても医師として成長できた2年間だと思っています。この記事ではひとまず初期研修を終えて思ったことをいくつかまとめています。これから初期研修を行う人などは是非読んでみて下さい。

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初期研修全体に関して

初期研修全体を簡単に最初にまとめます。

ざっくり全体について

医師国家試験を合格し、いきなり患者さんに対して臨床を行うのはやはり戸惑いました。本当に自分にできるのだろうかと思いつつ最初の研修先だった救急科のローテートが始まりました。

研修が始まってまず感じたのが2年目の先輩の凄さでした。最初は2年目の先輩について基本的なことを学びましたが、2年目の先輩の堂々とした振る舞いに1年でこんなにも医療ができるようになるのかと驚くと同時に自分はここまでできるようになるのかと不安にもなりました。

ただ徐々にその感覚は薄れていきます。救急科の2ヶ月が終わった頃にはなんとなく自分は仕事ができるんじゃないかという自信も感じていました。多分誰しもがそうだと思います。後から考えてみるとこのくらいの頃にそこまで知識がなくてもできる仕事がこなせるようになるためそのような気分になったのだと思います。(ルーティンの採血のオーダーなどですね)

救急の後は必修の内科、外科、麻酔科を研修しました。この期間は自分でできることも増えていったためとても勉強になりましたし手技も成長しました。

1年が過ぎると後輩の研修医が入っくると同時に自分の将来についても考える期間になりました。ここら辺僕は興味を持っていた皮膚科などを研修しましたがもう少し早い方が良かったですね。

いろいろ考えた結果、私は研究の道に進むことにしました。

後半はレポートや翌年のための手続きなどに追われていました。あまり時間に余裕がなかったですね。何かやりたいことがある人は学生のうちにやらないと後悔します。

研修の終盤は興味がある診療科を研修しつつ、最後は引っ越しなどもあり忙しい毎日を送りながら私の初期研修は終わりました。

簡単にいくつかのポイント

いくつかポイントにまとめて感想を書きます。

医学知識に関して

いろいろな人が言っていますがやはり臨床で用いる知識と国家試験で勉強してきた知識は違うように感じました。私は学生時代あまり勉強しなかった方と自覚していますがそれなりに臨床を行うことはできました。学生時代の勉強できた人との差はあまり感じませんでした。

ただ初期研修では医師国家試験の知識は全く役に立たないと言った話を聞くかもしれませんがこれは間違いです。国家試験で学んだ知識は確実に役に立ちます。

国家試験で学ぶ知識は初期研修医が関わる事になる入院患者さんの対応や救急では役に立たないことが多いです。それはすでに診断がついており治療がすでに進んでいる患者さんが多いからです。国家試験で考えた内容は病棟ではすでに答えが出ていることが多いです。

ではどこに役に立つのかと言うとそれは自分の勉強のために外来のカルテを遡ったりして患者さんがどのような経過を辿っていたか復習するときなどです。どうしても初期研修医には治療の決定権などはありません。しかし自分が将来外来を担当したりするときには診断や治療方針を決定しなくてはいけない時が来ます。医療の面白いポイントは診断をつけて治療を行う部分だと思います。そしてその部分には国家試験で学んだ知識は確実に役に立つはずです。

手技に関して

手技を習得するためにはとにかく経験だと思います。とにかく機会があれば積極的に挑戦するべきです。あまり経験がない手技を行うときは事前に勉強しておくことと実際に行うときに自分がどこまでわかっているかを上級医に口に出すのが重要ですね。これらができれば挑戦する機会は自ずと増えてくると思いますし上達も早まると思います。

初期研修を通して重要だと思ったポイント

ここでは私が2年間の初期研修を通して重要だと思ったポイントをまとめています。参考にしてみて下さい。

タイピング

多くの人が言っていると思いますがタイピングはかなり重要です。遅いと仕事になりません。

コミュニケーション力

  • とにかくわからないことは丁寧にコンパクトに上級医に質問する。
  • 患者さんにはとにかく丁寧に接する。
  • 空気を読む

これはとても重要なポイントだと思います。いわゆるコミュニケーションですね。意識するだけでも大事なポイントだと思います。

知識への投資

少なくとも1冊はその診療科の参考書を購入するべきです。そしてタブレットやスマートフォンに学んだ知識はまとめるべきです。せっかく勉強したことも忙しいとすぐに忘れてしまいます。

ちなみに研修医の間に購入しておいた方が良いものを私なりみまとめました。これらは絶対に持っておいて損しないと思うのでぜひ参考にしてみてください。

研修病院選び

研修病院選びはコロナの影響などもあってとても難しくなっています。しかし実際に研修してみて感じたのが初期研修病院選びの重要性です。初期研修病院で将来がある程度決まってしまうと言っても過言ではありません。私もあまり学生時代に時間をかけませんでしたが結果的に良い研究室に巡り合い研究の道を選ぶことができました。学生時代はとりあえず人気病院かななどと考えたりもしましたがしっかり将来を考えて研修病院を選ぶべきです。マイナー診療科志望であればその診療科が充実している大学病院などを選ぶべきです。研修病院の選び方は下の記事にも書いているので参考にしてみて下さい。

初期研修医2年間の感想まとめ

初期研修はしっかりやれば確実に成長できます。多くの病院はそのような環境を整えてくれていると思います。最初は仕事をして満足の時期もあると思いますが、しっかり考えて医療を行えるようになるといいと思います。

個人的にはとても満足のいく2年間でした。ただ上にも書いた知識のまとめを少し怠っていた時期がある点がもったいなかったと思っています。皆さんはしっかりと知識をまとめて勉強できるようにして下さい。

基本的なことを学びつつ将来を決めなくてはいけないとても重要な期間です。ぜひ皆さんも充実した研修を送って下さい。

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