私は初期臨床研修医を終えてからは専門医プログラムや医局に入ることなく基礎系の研究室で大学院生として基礎研究を行う道を選びました。そこまでこの進路を希望する人は少ないと思いますが、今回の記事ではどのようにして初期研修医を終えてから研究室で大学院生になるかの方法を書いていきます。研究に興味がある医師、医学生の人はぜひ読んでみてください。
そもそも初期臨床研修医を終えてから研究するには
まずそもそも研究するためにはどのような道があるでしょうか。これに関しては私はあまり詳しくありませんが、
- 企業に就職する
- 医局に入局する
- 大学院生になる
などの道があると思います。
企業に就職する
これはまあ当然ですが研究をやっている企業に就職できれば研究はできるでしょう。学生時代に実績などがあれば採用してもらいやすいのではないでしょうか。ここに関しては私はあまり詳しくないので割愛します。
医局に入局する
医局に入局しても多くの人は大学院生として研究することになると思います。医局の中には1年目から研究ができる医局もあると思います。ただしこれができる医局は少ないと思います。また医局によっては大学院生となっても臨床をするというところもあります。ここら辺はよく下調べしておかなくてはいけません。研究に専念したい場合この選択肢のメリットは少ないですが臨床も考えている人の場合は入局年数を稼ぐことができるのでいいかもしれません。
大学院生になる
これが実際に私が選んだ道です。とにかく研究に専念する道です。私は医局に入局して臨床と掛け持ちするよりも、まずは研究をしたいと思いこの道を選びました。研究に専念できることはメリットですがこの場合臨床の経験も少なく稼ぐ手段がかなり限られてしまいます。学費も払わなくてはいけません。ちなみに稼ぐ手段としては
- アルバイトをする
- 奨学金をもらう
- 学振に応募する
などがあります。
アルバイトはいろいろありますが、下の二つはどちらも選考や条件があり必ずしも全員がもらえるわけではありません。
ここら辺の大学院生が給料を稼ぐ方法に関してはこちらの記事に書いているのでお金に関して心配な人はこちらを参考にしてみてください。
話がそれましたが、概ねこの3つくらいの研究をする方法があるためこの中から選びましょう。ここから先は最後の大学院生になるという選択をとった場合の話になります。(私がそうなので)
まずは研究室を見つけよう。
そもそも基礎研究といっても大学だけでもかなりの数がありますし、その中でさらにたくさんの研究室があります。ここの研究室でこの研究がしたいという希望が定まっている人は単純ですが、この分野を研究したいくらいだと分野によってはかなりの数の研究室があります。なのでどこで研究するか決まっていない人はまず研究室を探すことから始めなくてはいけません。
研究室の探し方
研究室の探し方といっても
- 出身大学の研究室から選ぶ
- 出身大学以外の研究室から選ぶ
当然ですがこの2つになると思います。
出身大学の研究室から選ぶ
自分の出身大学であれば講義などで研究内容を知っているかもしれません。いろいろな情報も知っていると思います。出身大学であれば見学なども行きやすいのではないでしょうか。ただ自分の大学に行きたい研究室がない場合はできません。
出身大学以外の研究室から選ぶ
このパターンが難しいですね。僕もこのパターンでした。
この場合はまずGoogleで自分の興味がある分野を検索してその研究室で行っている研究内容を知るのがいいと思います。これである程度は絞れると思います。最近はどの研究室もホームページを充実させているのである程度研究内容はそこから探すことができると思います。
このほかには論文で検索してみるというのも手です。やはり有名雑誌に論文を出している研究室はその分野でトップを走っている研究室だと思うので研究するにはいいのではないでしょうか。
あとは講演会を聞いたりなどですが開催されていないといけないですね。
研究室選びはかなり難しいですがある程度は運命に任せるような形になってしまうと思います笑。現在はコロナウイルスで研究室見学なども行きにくくなっています。とにかく情報をあらゆる手段で情報を集めるしかないですね。僕は偶然研修医の間に行った講演会の内容が面白かったのでそこの研究室にしました。
研究室見学に行ってみよう。
研究室の候補をある程度絞った後は研究室の見学に行ってみましょう。初期研修医を経験している人であれば研修病院選びで同様の経験をしていると思います。
研究室見学の際はまずは教授にメールでアポイントメントを取るところからですね。尚、病院見学とは違って研究室見学は広大な大学に行くことになるので迷うことも考えて早めに行くようにしましょう。
研究室見学では基本的に教授と研究に関する話などをした後に研究室の中を紹介していただくような形になると思います。なかなか病院見学とは違って何を聞いておくかなどは難しいです。とりあえず研究室の雰囲気を知るような形になると思います。(なかなか雰囲気を知るのも難しいです。)
尚、見学が研究室側に自分を知ってもらう機会なので面接の要素もあると考えてもいいと思います。当然ですが失礼はないようにしましょう。
メールで応募してもいいかの確認を行おう。
見学を行った後は研究室を決定しなくてはいけません。基本的に一つに絞ってその大学の大学院入試を受験する必要があります。合格しても受け入れできないとなってしまっては問題なのでまずはしっかり受け入れてもらえるかの確認を行いましょう。
大学院入試に出願しよう。
この次は大学院入試に出願となります。基本的に英語の文章を読んでそれに関して問題を解いたり自分の意見を述べたりといった試験だと思います。ちなみに大学院入試は意外に合格率が低いので過去問を集めるなどある程度の準備は行って受験するようにしましょう。
また面接がある大学院もあると思います。
僕が受験した大学院入試に関してはこの記事にまとめているので参考にしてみてください。
教授に合格した旨を報告しよう。そして…
大学院入試の結果が出たらもちろん結果の報告は行いましょう。そしてその後のことの相談なども行いましょう。
尚、合格した場合は奨学金についてなども考え始めましょう。入学前から申し込む必要がある奨学金などもあります。あとから応募していなかったなどないようにしましょう。また大学院にもいろいろなプログラムがあることがあるため追加のプログラムを受講するかなどを検討しましょう。ちなみに僕は卓越大学院プログラムというプログラムに応募しました。いろいろな経験も積めますし、経済的支援(学費無料)などもあるのでアルバイトをせずに研究に打ち込みたいという人はこちらも検討しましょう。
奨学金に関してはこちらの記事にまとめていますので参考にしてください(後日作成)
初期研修医から大学院生になるための方法まとめ
この記事では初期研修医から大学院生になるための方法をまとめました。まずは研究室を見つけて見学に行き、大学院を受験するといった流れですね。とにかく選ぶところが重要ですがかなり数の研究室から選ぶのはとても難しいので事前にかなり候補を絞り見学に行くといった形になると思います。
なかなか学生に戻るのは経済的に厳しい道のりですが新しいことを発見したいというモチベーションがある人はぜひ研究の道に進んでみてください!
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