膠原病内科での研修について!

M.A

僕の研修医生活も残りわずかとなってきましたが現在僕は膠原病内科で研修しています。
膠原病内科はない病院も多いかと思います。
リウマチとか皮膚筋炎とか医師国家試験ではよく聞いた疾患がたくさん経験できる診療科です。
来年度から免疫学の研究を行う予定なのでこの初期研修の終盤に選択しました。
あまり馴染みのない診療科だと思うので興味がある人は読んでみてください!

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膠原病内科で経験できる疾患

膠原病内科でみれる疾患は国家試験でも勉強した疾患が多いです。例を挙げると…

  • SLE
  • 強皮症
  • 皮膚筋炎
  • 好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(昔のチャーグストラウス症候群)
  • シェーグレン症候群

などですかね。
国家試験で勉強しましたが他の診療科ではあまり経験しない疾患ですね。

膠原病内科で学べること

膠原病内科研修では内科の全般的なことが学べます。
みなさんも膠原病の症状があらゆる臓器で出現することは国家試験で学んだと思います。

例えば皮膚筋炎を考えるともちろん皮膚や筋肉の症状はありますが、間質性肺炎の合併などもあるため呼吸器の知識も必要となってきます。

IgG4関連疾患などになってくると自己免疫性膵炎、下垂体炎、関節炎、ミクリッツ病、間質性腎炎、などなどもうキリがなくなって来ます。
このようにあらゆる臓器について勉強できるのが膠原病内科です。

膠原病は疑わないとなかなか診断がつかずクリニックを彷徨うことになってしまう疾患でもあるので皮膚所見や血液検査から疑えるようになりたいですね。

治療に関しては多くの疾患でステロイドを使います。
ステロイドを使う疾患は多く、その副作用予防なども勉強になります。
ステロイドの副作用みなさん覚えていますか?以前Twitterで投稿しましたが

こんな感じでたくさんあるので気をつけなくてはいけません。

また治療に関してステロイドを使うことは多いですが最近はいろいろな他の治療薬もあり、いろいろな免疫抑制薬なども使われています。

膠原病内科で学べる手技

手技に関してはそこまで特徴的なものはありません。腰椎穿刺やCVなどの研修医が身につけたい一般的な手技は機会があれば一通り経験できるような感じだと思います。

膠原病内科の1日

基本的に回診をしていろいろ対応するという毎日です。
いろいろ変化のある患者さんもいれば、高容量ステロイドの減量中で特に状態が変わりないような患者さんもいます。とにかく一人一人の患者さんの入院期間が長くなってしまうことも特徴の一つです。

とにかく患者さんを診察してアセスメントしていく毎日です。
僕が経験した好酸球性多発血管炎性肉芽腫症の患者さんはステロイドを開始後ものすごい症状の改善があり日々身体所見が改善していくのに驚きました。
初期研修医にとってはかなり難しい診療科なのでとにかくいろいろ調べて勉強しながら関わっていく感じになります。

緊急の入院もよくあります。
ステロイドを使っているので感染であったり、ステロイド減量による症状の増悪などで入院となります。発熱といっても元疾患の炎症の増悪か感染か難しいこともあるので診察や何を検査するかがとても重要になります。

膠原病内科で研修するべきか否か

膠原病内科は少しでも興味があればぜひ研修することをお勧めします。
とにかくあらゆる診療科と関係がある疾患を扱うのでどの診療科に進むにしても知識が役に立ちます。
循環器内科であれば心筋炎、呼吸器内科であれば間質性肺炎、神経内科であれば多発単神経炎などいろいろと膠原病は関連があります。
少し内容が難しいので研修するとしたら2年目である程度慣れてからがいいと思います。

膠原病内科研修まとめ

とにかくいろいろな症状、疾患が経験できる診療科なので初期研修のまとめなどにいいかもしれません。
「膠原病内科は希少疾患を扱うため診断学が面白い。また治療があまり厳密に定められている分野ではなく治療にアートがある。」と指導医の先生はおっしゃっていました。
いろいろな身体所見を見つけて鑑別を考え、治療方針も自分で考えていくようなスタイルが好きな人には向いている診療科ですね。

研修に余裕がある人は選んでみてはいかがでしょうか。

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