【医学部卒業生による】医学部6年間の生活について

皆さん医学部ってどういう生活をしているか知っていますか?
受験しようと考えていても高校の段階では合格した後自分がどういう生活、勉強をしていくのかわからないですよね。医学部は他の学部とはキャンパスが離れていたり、医学科は6年制であったりと他の学部と違うところが多い学部でもあります。

今回は自分の経験も踏まえて医学部医学科での生活や勉強を学年ごとに書いてみようと思います。あくまで僕の通った大学のカリキュラムなのでこの通りではないと思います。

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1年生

大学受験に合格していよいよ大学生活ですね。

勉強に関しては基本的に最初は一般教養といって医学とは関係ない内容を学んでいきます(英語、社会、など)。医学のちょっとした社会科見学のようなイベントが少し入ったりりもしますね(病院での仕事の見学など)。そして少し最初は基礎医学と言われる臨床の基礎となる授業も始まっていきます。(生化学など)


生活に関してですが医学部は6年生ということもあり6年間続けることができる医学部独自の部活、サークルがあります。医学部〜部のようなものですね。ここには基本的に他の学部の学生は参加できません。
もちろん全学のサークルなどに医学部の学生が入ることはできます。
ただ、医学部は他の学部とキャンパスやカリキュラムが異なるので医学部系の部活、サークルに入る人が多いです。

最初に新歓というイベントがあり色々な部活やサークルが説明のためにご飯に連れて行ったりスポーツの体験会などを開いています。時間があったら参加して自分に合ったものを見つけるといいですね。医学部には東医体や西医体という医学部生だけの大会もあります。この大会については下の記事にまとめているので見てみてください。

学生生活に慣れてくるとアルバイトを始める人も出てきます。お金に困らない人も一度時間のある低学年のときにアルバイトをしてみるといいですね。医療も接客業です。色々なことをアルバイトを通して学べると思います。

2年生

このあたりからは授業の多くが専門科目になり、試験も増えてきます。

1年生の時はさほど勉強しなくても合格できる試験が多いですがこの頃になってくるとそれなりな勉強時間の確保が必要となってきます。

2年生あたりから留年というものも見えてきます。あんまり勉強してこなかった人が上の学年から降りてきて、自分の学年からいなくなります。医学部では基本的に過去問の勉強が重要と言われています。しっかり先輩からこれらを入手して重要なポイントをつかめるようにしましょう。このころの授業は解剖学などもあり少し医学部らしくなってきますね。

3年生

この学年は2年目と大きく変わりません。専門科目の授業があります。僕の言っていた大学では研究室に配属されて少し研究をする機会もありました。

部活やサークルをしている人たちはここら辺から幹部学年となってくるので部活の運営などの仕事も始まります。
専門科目も増えて勉強も忙しくなってきます。まだ基礎医学が多いです。基礎医学から入るのでなかなか勉強に興味を持つのが難しいですね。

4年生

この学年から臨床医学が始まっていきます。循環器、呼吸器など実際の臨床について学ぶので実際の臨床に近いことを学んでいきます。ここら辺の方が勉強が進む人が多いのではないでしょうか。専門科目の試験には簡単なもの、過去問通りのものもあれば難しいものもあります。

この学年には大きな難関があります。それがOSCEとCBTという試験です。この試験を合格しなければ翌年から始まる病院での実習を行うことができないです。つまり合格しないと留年です。今までの試験は大学の優しい先生が多少点数に下駄を履かせてくれていたかもしれませんがこの試験ではそういうことはありません。

OSCE

OSCE(Objective Structured Clinical Examination)という試験は実際の臨床で必要となるであろう診察や手技に関しての試験です。身体診察、ガウンテクニック、心臓マッサージなどのテーマが決められておりそれについて実習で勉強しその中のいくつかが試験に出されるという形式になります。こちらの試験はかなり合格率が高いです。

CBT

CBT(Computer Based Testing)という試験は国家試験を少し簡単にしたようなコンピューターで行う試験になります。問題の形式も国家試験と似ており選択肢を選ぶ形式になっています。内容としては基礎医学少しと臨床医学というような形です。この試験に関してはQB(クエスチョンバンク)をみんな勉強しています。この試験は大学ごとにボーダーラインが決められておりそれ以上取れないと臨床実習が行えないので留年です。

5年生

5年生になると臨床実習(ポリクリ)が始まります。

最近は臨床実習が早まってきている大学もあるようで4年生の後半から始まることもあるようですが僕が学生の時は5年生からでした。僕の大学では1週間から2週間単位でほとんど全ての診療科を1年間かけて見学しました。診療科によっては担当の患者さんを割り当てられて毎日回診しカルテを書いたり、外来で初診の患者さんの診察を行ったりと実際の医師の仕事に近いことを経験します。

4年生の2つの試験に合格するとstudent doctorという資格を得られるためこのように診療に参加することができます。この学年ではよほど実習での態度が悪くない限り留年することはありません。

尚、この学年になってくると翌年に控えている国家試験も意識しなくてはいけません。多くの学生はMEC、TECOM、medu4といった医師国家試験の予備校の教材を用いた国家試験の勉強を始めます。基本的にネット講義です。

また個人差はありますがこのあたり(4年生の春休みや5年生の夏休み)から自分が医者になってから最初に勤めることになる研修病院を選び始めます。

6年生を終えて医師国家試験に合格すると最初に2年間の初期臨床研修を行います。この期間は色々な診療科で働き、将来自分がなる診療科を決める重要な期間です。マッチングという制度で全国の病院から医師として最初の一歩を歩む病院を決めます。病院によっては試験もあり、就活のようなものです。試験、面接は6年生なのでそれまでに病院の見学を行います。
初期臨床研修の病院選びに関しては下の記事にまとめているので気になる方は読んでみてください。

6年生

他の学部は4年で終わっていますが医学科では6年が最終学年です。

この学年は大学によってかなり変わってくると思います。僕の大学では半年間自分の興味を持った診療科いくつかを選び、それぞれ1ヶ月間見学します。5年生の時よりも長く一つの診療科に止まるため簡単な処置や手技を行う機会も増えてきます。

そしてこの学年になるといよいよ卒業試験や国家試験です。上にも書いた研修病院を選ぶためのマッチング試験もあります。ここまでの学年であまり勉強してこなかった人も流石に勉強に熱が入るようになります。マッチングは基本的に夏休みの期間ですが病院ごとに試験や面接の日程が決まっています。結果が出るのは11月ごろです。

僕の大学は11月に卒業試験がありました。国家試験と同じような内容の試験でした。
余裕のある学生はこの卒業試験が終わって医師国家試験までの期間に旅行に行ったりしていました。僕は余裕がある学生ではなかったので勉強してました笑。

そしていよいよ2月に医師国家試験です。今は2日間になりました。合格率9割と言われている試験ですが流石に緊張します。禁忌選択肢というのがあってそれをいくつか踏んでしまうとそれだけで落ちてしまうという恐ろしい問題も潜んでいます。
国家試験が終わると3月の結果発表までは自由な時間です。多くの人は海外旅行に行ったりします。
働くための引越しなどの準備もありますね。

研修医に向けての勉強もあると思います。下の記事に研修医になるまでの期間に学んだ方がいいことを書いているので参考にしてみてください。

まとめ

いかがだったでしょうか。正直かなり長い記事になってしまいましたね。まあ6年間をまとめているのでこれでも書けていないことはたくさんあります。

一つ言えるのは大学受験でやっと勉強はおしまいだと思っていては大きな間違いです。大学に入ってからもたくさんの試験が待っています。
この記事を通して医学部に入るとどういう生活を送るのかわかったでしょうか。目指したいと思った方はぜひ勉強頑張ってください!

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コメント

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